相続した不動産の名義変更を放置するとどうなる?
2023/04/17
「相続した不動産の名義変更はいつ行えば良いのだろう。」
「そもそも、名義変更は必ず行わなければいけないのだろうか。」
相続時、このような疑問を抱かれる方が多くいらっしゃいます。
そこで今回は、相続した不動産の名義変更に関して解説します。
□相続した不動産の名義変更をしないとどうなる?
相続した不動産は名義変更しないと、売却を行うことができません。
そのほかにも、名義変更をせずに放置しておくといくつかのリスクがあります。
1つ目は、「不動産売却のチャンスを逃す可能性があること」です。
不動産売却時には、売り手から買い手へと名義を変更します。
この際、売り手と不動産の名義が異なると、所有権を買い手に移す手続きを進められません。
この名義変更には、数週間から2か月程かかります。
そのため、売却が未定の場合でも、早めに名義変更をしておくことをおすすめします。
2つ目は、「名義変更の義務化により、罰則が課されること」です。
2024年4月1日から、名義変更の申請が義務化されます。
正当な理由のない申告漏れには、10万円以下の罰則が与えられるようになるので注意が必要です。
2024年4月1日までの相続の場合は、2024年4月1日から3年以内に名義変更を行う必要があります。
2024年4月1日以降の相続の場合は、相続の日から3年以内に名義変更を行う必要があります。
3つ目は、「相続が重なった場合、権利関係でトラブルが生じるリスクがあること」です。
名義変更していない場合、不動産は相続人全員が法定相続分に応じて共有している状態になります。
この状態で、更に相続が発生した場合、共有者が増加する可能性があります。
例えば、ある相続人が結婚して子供ができた場合、その子供や配偶者にも不動産の権利が相続されます。
不動産を売却する際、誰かひとりでも合意が取れなかった場合、売却を行えないので注意が必要です。
□名義変更は自分でやるのではなく依頼しましょう!
不動産の名義変更は自分で行うことも可能です。
必要書類を集めて、法務局へ申請書を提出することでできます。
しかし、手続きを間違えてしまったり、規則を守らなかったりすると、ペナルティがある場合があります。
そのため、専門家に依頼することをおすすめします。
不動産の名義変更は、主に5つの過程があります。
1つ目は、相続した不動産の「登記事項証明書」を取得して、登記されている情報を確認することです。
「登記事項証明書」は、全国の法務局で申請して取得できます。
2つ目は、必要な書類を集めることです。
名義変更に必要な書類は、遺産分割協議書、相続人全員の戸籍謄本、被相続人の住民票の除票など複数あります。
これらは、市町村役場などで取得できます。
3つ目は、法務局のホームページで書式をダウンロードして、「登記申請書」を作成することです。
4つ目は、必要書類を法務局に提出することです。
提出の際、登録免許税を支払って、申請します。
申請書類に不備があった場合は、法務局から連絡がきます。
その場合、書類の訂正・申請のやり直しが必要となる場合があるので、事前に書類をよく確認しましょう。
5つ目は、「登記識別情報通知」を受け取ることです。
手続きが完了すると、「登記識別情報通知」が発行されます。
不動産の売却に必要な書類であり、再発行はできないため、大切に保管しましょう。
□まとめ
相続した不動産の名義変更はなるべく早めに行うことが大切です。
特に2024年4月1日以降は、名義変更が義務化されるので注意しましょう。
手続きはご自身でも可能ですが、用意する書類が多く、細かい手続きが必要です。
そのため、まずは不動産会社に相談することをおすすめします。